Project プロジェクトストーリー

富山の某製薬会社 製剤製造棟新築工事

Vol1. 35年ぶりの記録的な大雪の中で進める難易度の高い製薬工場建設

Prologue

「くすりの富山」を支える、技術と熱意

古くから医薬品産業が盛んに行われ、「くすりの富山」や「薬都」と呼ばれる富山県。タカノ建設は創業以来、この地で数々の製薬工場を築いてきた。いま新たに取り組んでいるのは、最新のクリーンルームを備えた製薬工場の新築工事。薬の安全を守るため、限りなく高い完成度が要求されるこのプロジェクトに、熱い思いを持って挑んでいる。

Member

  • 大村 賢生

    現場所長

    大村 賢生

  • 澤田 翼

    現場主任

    澤田 翼

  • INTERVIEW
    宮崎 建伍

    現場職員

    宮崎  建伍

  • 施工管理/土田 隆聖

    現場職員

    土田  隆聖

Outline

お客様の要望を、ひとつひとつ形にする

富山市中大久保にて、2020年秋より進められている医薬品製造工場の新築工事。鉄骨造の2 階建てで、建築面積は約1648 ㎡。最新のクリーンルームを完備した、難易度の高い大規模プロジェクトだ。この現場で指揮を執るのは、4人の施工管理チーム。チームの一員で入社4年目の宮崎建伍は、「お客様の要望を施工図に落とし込み、現場で形にすることが私たちの役割です」と語る。例えば、この工場では粒子の細かい漢方薬を取り扱うため、部屋の隅やドア枠の上に粉塵が溜まらないよう、内装の凹凸を極力無くすことが必要だ。粉末を固めて錠剤にする打錠機からは非常に大きな音が出るため、騒音対策も求められている。「難易度の高い物件ですが、弊社にはさまざまな課題を解決してきた実績があります。蓄積されたノウハウと新しい技術で、お客様の要望をひとつひとつ確実に、形にしたいと思います」と、宮崎は意欲を語る。

一人前の施工管理者を目指し、月間工程表の作成に初挑戦

一人前の施工管理者を目指し、月間工程表の作成に初挑戦

この工事が始まる際、宮崎は自ら「月間工程表を書かせてください」と所長に願い出た。これまでに週間スケジュールを組んだことはあるが、これだけ大きな工事の月間工程表の作成は初めての挑戦だ。基礎工事から始まって、躯体、外装、内装、設備などさまざまな専門業者が入れ代わり立ち代わり作業を行う工事現場のスケジュール管理は難しい。職人たちから「ここはどうなっているんだ」と指摘されることも少なくない。「自分ではどんなによく考えたつもりでも、現場に出てみると初めて気づくことがたくさんあります。上司や先輩に直してもらって、職人さんにも意見をもらって、現場をスムーズに回すコツを早く身に付けたいと思います」と語る宮崎。施工管理の仕事は、一人前になるまでに7~8年はかかるという。ひたむきに頑張る宮崎の姿を、周囲は期待を込めて見守っている。

人見知りを克服し、休憩時間の雑談が楽しみに

人見知りを克服し、休憩時間の雑談が楽しみに

今では「休憩時間の雑談が楽しみ」という宮崎だが、入社した当初はとても人見知りな性格だったという。最初は職人たちと話すのが怖くて仕方なかったが、この環境で毎日過ごすうちに、自然と話せるようになった。一見、気難しそうに見える人でも、話せば優しい人ばかり。過去の現場で知り合った人が、新しい現場で「おぅ!」と気軽に声を掛けてくれると嬉しくなる。作業の最終日に「次の現場で、待っとっちゃ」と冗談を飛ばしてくれる人もいる。たくさんの人と出会い、たくさんの人の力でひとつの物の作り上げるこの仕事に、今は大きな魅力とやりがいを感じている。

悪天候を乗り越えて、「土間打ち」そして「内外装工事」へ

悪天候を乗り越えて、「土間打ち」そして「内外装工事」へ

2020年の秋にスタートし、2021年夏の完成を目指すこの工事に立ちはだかる大きな問題は、冬の悪天候だ。2021年は年明け早々、35年ぶりの記録的な大雪に見舞われた。幸い、現場にトラブルはなかったものの、その後も断続的に降雪が続き、スケジュールへの影響は免れない。しかし3月には、工事の関門である土間コンクリートの打設作業が控えている。「土間コンクリートの打設作業にはとても多く業者さんが関わるので、日程を変更することは絶対にできません。天候との戦いは大変ですが、パズルを組み合わせるように工程をなんとか調整して、土間打ちの予定日までにすべての作業を間に合わせたいと思います」と意気込む宮崎。2021年8月末の完工を目指して、現場の挑戦は続いている。

富山の某製薬会社 製剤製造棟新築工事